防音リノベーションで今より快適な暮らしを！

公開日：2020年10月27日｜更新日： 2020年10月27日

一般にリノベーションと言えば、間取りや外観を始めとした住宅の「見た目」を変える工事のこと。しかしながら住宅の本質には、間取りや外観のほかにも、住みやすさや快適さがあることも忘れてはいけません。

住みやすさ、快適さを左右する大きな要素の一つが「音」。外からの「音」、隣や階下の住人からの「音」など、周りには快適な生活を妨げてしまう「音」がたくさんあります。あるいは、自分自身が他人に不快な「音」を発しているかもしれません。

ここでは、住宅をとりまく「音」に注目し、防音を目的としたリノベーションについて詳しく解説。工事内容や費用相場などについてご紹介します。

目的に応じて防音リノベーションの内容は異なる

何の音を遮断したいのかにより、防音リノベーションの工事内容が変わります。以下、遮断したい音や防音の目的に応じて検討されるリノベーションの内容についてご紹介します。

マンションやアパートなどの集合住宅において、隣から聞こえる音が気になるという方も多いことでしょう。

隣から聞こえる音を遮断するためには、「遮音等級D-55」以上の戸境壁にリノベーションすることが有効。屋内の一部の壁だけをリノベーションするだけでも、だいぶ音の聞こえ方が違ってきます。

自室の階下からの音を遮断したり、逆に自室から階下に漏れる音を軽減したりするためには、「遮音等級LL-40/LL-45」のフローリングにリノベーションすると良いでしょう。

また、上階からの足音が気になる場合には、天井のクロス下地に防音性能の高い素材を使用すると有効です。

外からの音の多くは、窓を通じて聞こえてきます。よって窓を変えれば外からの音の多くを遮断することができるのですが、マンションなどの場合、窓は共用部分にあたるため自由に変更することはできません。

共用部分としての窓の防音リノベーションをするためには、内側にもう一枚、サッシと窓を設置して「二重窓」にすることが有効です。幹線道路や線路からの音を防ぐため、また楽器演奏時の音漏れを防ぐためには、「遮音等級T-2」以上の内窓を設置すると良いでしょう。

上でご紹介した防音対策は、そのまま自分の家から出る生活音対策にも有効です。加えて、より生活音で隣人に迷惑をかけないために、テレビやオーディオなどの音の出る機器を、戸境壁から10cm以上離して設置するようにしましょう。

愛犬などのペットの声で隣人に迷惑をかけたくない場合には、壁や天井に吸音材を貼ることが有効。犬や鳥などの鳴き声の反響を抑える効果があります。

上でご紹介した防音リノベーションの中から、主な工事の費用相場について見ておきましょう。

壁の内側に防音材を入れる工事をする場合、費用相場は12～15万円程度。また、音の侵入や漏れの原因箇所にもなる換気口を防音仕様にするためには、7千～5万円ほどが相場となります。

防音フローリングや防音カーペットに張り替える場合、材料や広さに応じて6～23万円程度が費用相場となるでしょう。床材の下に遮音材を敷くなどの大規模リフォームの場合には、より高額になります。どの程度の遮音性を求めるかに応じ、業者と相談しながら決めましょう。

上述の通り、マンションなどでは窓が共用部分となるため、二重窓を設置する防音リノベーションが必要。二重窓の費用相場は、一ヵ所8～15万円と考えておいてください。

戸建ての場合で防音ガラス（複層ガラス）に変更する場合には、一ヵ所5～15万円程度が相場となります。

以下3つ、いずれかの条件に適合している住宅については、自治体などから防音リノベーションの補助金が支給される可能性があります。該当しそうな場合には、工事前に自治体へ問い合わせてみましょう。

東京、三重、兵庫で指定されている「沿道整備道路」の沿線にある住宅については、防音リノベーションの際に補助金が支給される可能性があります。

自衛隊や在日米軍の基地近くにある住宅については、原則として、防音リノベーションにかかる費用の全額が補助金として支給されます。

空港近くで、かつ騒防法に指定された「第一種区域」にある住宅については、防音リノベーション費用の一部が補助金として支給されます。